2014年8月4日月曜日

全般性不安障害の認知行動療法


 全般性不安障害(GAD)に興味が出てきたのでDugasとRobichaudの「Cognitive-Behavioral Treatment for Generalized Anxiety Disorder 」を購入しました。




 苦手な英語なので、はたして読むのかな・・・という疑問は拭えませんが、内容はとても面白そうです。とりあえず、目次のみ訳してみたので紹介します。

1     全般性不安障害の説明
 1.1      GADの診断
 1.2      臨床像: GADはどんな風に見える。
 1.3      疫学
 1.4      GADのコスト
 1.5      要約と結び
2     全般性不安障害の認知モデル
 2.1      不確実性への耐えられなさ(不寛容)
 2.2      心配についてのポジティブな信念
 2.3      ネガティブ問題志向
 2.4      認知的回避
 2.5      モデル構成要素間のつながり
 2.6      モデルの臨床的関与
3     診断とアセスメント
 3.1      臨床インタビュー
 3.2      GAD診断の障害物
 3.3      異なる診断
 3.4      構造化診断面接
 3.5      自己報告質問紙
 3.6      要約と結び
4     治療の概観
 4.1      治療アウトライン
 4.2      モジュール1 心理教育と心配自覚トレーニング
 4.3      モジュール2 不確かさの再認知と行動的エクスポージャー
 4.4      モジュール3 心配の有用性の再評価
 4.5      モジュール4 問題解決トレーニング
 4.6      モジュール5 イマジナルエクスポージャー
 4.7      モジュール6 再発防止
 4.8      要約と結び
5     段階的治療
 5.1      モジュール1 心理教育と心配自覚トレーニング
 5.2      モジュール2 不確かさの再認知と行動エクスポージャー
 5.3      モジュール3 心配の有用性の再評価
 5.4      モジュール4 問題解決トレーニング
 5.5      モジュール5 イマジナルエクスポージャー
 5.6      モジュール6 再発防止
6     治療の有効性
 6.1      治療の有効性を確立する基準
 6.2      治療の有効性の研究
 6.3      全体的結論
7     困難な要因への取りくみ
 7.1      クライエントの困難要因
 7.2      セラピストの困難要因
 7.3      文脈の困難要因

 興味深いのは、問題解決(療法)が組み込まれている部分で、著者らもその点を強調していました。

 我々の意見では、この治療の重要なイノベーションの1つは、心配のそれぞれのタイプへ特定の戦略を使用することである。現在の問題についての心配には、しっかりとした問題解決実践を適用することが、きわめて有用な治療戦略であることを見出してきた。つまり、問題について心配するよりも、実際に解決してしまった方がベターなのです!

 たしかに、GADの人が問題に直面することを、いろいろと心配することによって避けているのであれば、解決してしまえ!というのは、合理的な方法ですね。

 GADは日本では、あまり注目されません。日本人の心性と比較的マッチする傾向なのかなと思います。あれこれ色々と悩んでいる人が、あまり浮かない社会というか、比較的好意的な、かわいらしいという評価をうけることもあります。
 だからこそ、GADの治療法っていうのは、日本人にとって意味深いものでもあるのだろうと思うのです。