2012年8月14日火曜日

メタ認知療法を学ぶには

早稲田大学熊野宏昭氏のツイッターで、こんな感じでメタ認知療法を学ぶと良いよというツイートがあったので紹介します。



大枠をつかむための文献

まずは、新世代の認知行動療法です。このブログでも紹介エントリーを書いています。


新世代の認知行動療法 -臨床心理士的Blogger




  今井正司・今井千鶴子著の論文 (CiNii) のリンクと要約を紹介します。

本論では,Wellsが開発したメタ認知療法(Metacognitive Therapy:MCT)の理論的背景とその技法について概観した.はじめに,MCTの中核的な理論である自己調節実行(Self-Regulatory Executive Function:S-REF)モデルについて論じた.S-REFモデルは,メタシステム(metasystem unit),下位処理ユニット(low-level processing unit),S-REFユニット(S-REF unit)で構成されており,すべての感情障害に関連してみられる認知注意症候群(Cognitive Attention Syndrome:CAS)と呼ばれる非適応的な認知処理様式について説明するモデルである.CASへの主要な介入としては,メタ認知的信念を変容させる方法と,注意の柔軟性を向上させる方法がある.メタ認知的信念に介入する方法については,全般性不安障害の患者さんを例に,「心配の内容」ではなく「心配の機能」に着目する必要があることを論じた.注意の柔軟性に介入する方法としては,注意訓練(Attention Training:ATT)の理論的背景とその技法について,S-REFモデルを用いて論じた.最後に,MCTの効果的な適用とその基礎モデルの発展に関して考察がなされた.
 今井正司・今井千鶴子 2011 メタ認知療法(<特集>認知/行動療法) ,心身医学 51(12), 1098-1104 



『メタ認知療法-うつと不安の新しいケースフォーミュレーション』
いよいよ2012年8月20日に満を持して発売されます。読むのが今からとても楽しみです!