2013年2月23日土曜日

向精神薬についてのイメージをガラッと変える一冊

原井宏明著「うつ・不安・不眠の薬の減らし方」を読みました。これまでの向精神薬のイメージ(といっても大学院での講義程度のイメージですが)をガラリと変えてくれるインパクトがあり、非常に面白い一冊でした。


「薬害を訴える本は、害があることだけを強調します。効果を訴える本は、脳内の変化だけを強調します。」「医師が患者さんに本当に薬を飲んでほしいと思うならば、このように単に安心させるためだけの言葉で、薬への抵抗をなくそうとするのは望ましいことではありません。」という部分は読んでいてとてもうなずけました。薬に限らず自分が“良い”と考える情報があるときにフラットに情報提供するのは難しいものです。

本書では、特にベンゾジアゼピン系薬物と抗うつ薬を中心にして、向精神薬が動物や人間の行動にどのように影響するかということが書かれています。回避学習やシャトルボックスでの学習性無力感の実験、サルの優位性実験などを通して向精神薬がレスポンデント条件づけやオペラント条件づけに影響するという例は非常に刺激的でした。


向精神薬は、種々の条件付けを妨げる働きがあります。それもレスポンデント条件づけだけ、オペラント条件づけだけなど、選択的にやめさせることができます。

具体的には、ベンゾジアゼピン系薬物が条件性抑制を解除する、抗精神病薬が条件回避反応を抑制するなどがこれに該当します。非常に面白かったので興味のある方は、ぜひ。