以下、感想です。
- 「反応妨害は、基本的にはこの2つ目のオペラントの要素に働きかける。回避や逃避行動を妨害することによって、反応妨害は行動パターン中の負の強化の部分を弱め、不安な感覚を避けたいという報酬を求める衝動を弱める。」
- 「報酬を求める衝動」って実感として理解しやすい言葉だけれど、どこかの論文に載っているのか知りたい
- エクスポージャーの実践より先に、反応妨害について説明している所に好感が持てる
- Intolerance of Uncertainty の訳として「将来の不確実性への耐性が低い」というのは良い訳だ
- Exposureの説明理論としてTryonのモデルが紹介されていたけど、これはどのくらい広く認められているんだろう?
- 内部感覚エクスポージャーの効果を般化させるためには、症状と関連した様々な場所で内部感覚暴露を行う
- よく分かっていなかった弁証法的行動療法の説明が丁寧に書いてあって興味深かった。ナラティブ・エクスポージャーセラピーも知らなかったので良い勉強になった
- もっと統一プロトコルに焦点をあててもいいんじゃないの?と思った。
- ACTやDBTの要素をエクスポージャーの脱落を減らすために使ったらよいのでは?という方向性には同意できるが、それがACTやDBTでなければならない訳ではないと思う
- 関係フレームづけを、二要因論の不安の獲得に関する不十分な説明を補うために使っているのか
- ナラティブ・エクスポージャーセラピーが「クライエントの個人史について一貫した物語を作り上げる」というのは興味深かった。
- 抜毛に関して髪を手に持ち、衝動が薄れていくまでその状態をキープするってのは効果がありそう
- こういった衝動や依存に関連した治療はもっと勉強しなくちゃいけない
価格も3400円と比較的お手頃なのでお勧めです。 (この本の中で度々引用されていたClark & Beckの訳書は1万円くらいします…)
Sisemore T. A. (2012). The Clinician's Guide to Exposure Therapies for Anxiety Spectrum Disorders: Integrating Techniques and Applications form CBT, DBT, and ACT