2016年2月14日日曜日

「診断を先送りにして、先にサポートを開始する」という選択肢

ツイッターで流れてきたエントリで、興味深かったので引用して紹介。
しかも、現在、科学的根拠が示されているような「療育」は、一定の技法を2歳台から集中的に行うという、人的資源の面でもコスト的にも要求度の高いものが中心です。時間も短く、頻度も少なく、開始年齢も遅く、技法的にも確立しているとは言い難い日本の療育の現状とは大きな隔たりがあります。

そんな状況の中、私たちは早期診断とそれに基づいた療育をこれからも続けていくべきなのでしょうか?

今まで述べてきたような矛盾や問題を抱えていることを認識しながらも、私自身はこの問いに対して、「やはり療育には一定の価値がある」と答えたいと思っています。ただし、そこには一つの条件があります。それは、「早期診断・早期療育を受けたいですか?」というご家族への問いかけを、ちょっとだけ変えてみるということです。

その問いかけとは、「お子さんのことをよりよく理解されたいと思っていますか?」というものです。そして、「はい、今よりもっと理解したいと思っています」と答えていただけるご家族には、そのお手伝いをしていきたいと思っているのです。

45. 私たちの療育が目指すもの - 発達診療の窓から 45. 私たちの療育が目指すもの - 発達診療の窓から
現在の福祉や医療の中では、診断や知能指数の値がサービスを受けるための条件となっていると感じることがあります。一方で上記のように、診断を受け入れる準備がまだ整っていない親御さんにサービス受給のため無理くり診断するというのも酷な話である。

 それが実現されるのは医療の中なのか、福祉の中なかなのか、もっと違った場所であるのかは別にして、こういった選択肢を作っていくことは必要だろう。