2016年7月9日土曜日

Intolerance of uncertainty の訳語

Intolerance of uncertainty は全般性不安障害の重要概念です。ただし、訳そうと思うと中々厄介な用語なので、その迷いを覚書。

intolerance には、「不寛容」、「耐えられないこと」、「雅量のないこと」、「狭量」という意味があります。

uncertainty は、「不確実性」、「不確実」、「確信のなさ」、「半信半疑」、「不安定」、「不確定」、「不安」、「頼りなさ」、「変わりやすいこと」、「不確実なこと」、「当てにならないこと」と訳されます。

これまでは、「不確実性への不寛容さ」と日本語化していたのですが、どうも分かりにくいししっくりこない。


ティモシー・A・サイズモア(著) 坂井誠、首藤祐介、山本竜也(監訳) 『セラピストのためのエクスポージャー療法ガイドブック その実践とCBT、DBT、ACTへの統合』では、「将来の不確実性への耐性が低い」と訳されており、大分わかりやすいと感じました。


その他の訳を考えると、


  • 不確実であることへの耐性の低さ
  • 不確実であることの耐えられなさ
  • 不確実であることの受け入れられなさ
  • 不確実なものごとへの耐性の低さ
  • 不確実なものごとの耐えられなさ
  • 確実でないことの受け入れられなさ

うーん、どれも今いち。考えるとより混乱してきますね。

追記2017/12/3
DSM-5では、「不確かさへの不耐性」と書いてある。

  • 将来の不確かさへの耐性のなさ
  • 不確かさへの耐えられなさ
といった表現も分かりやすいかもしれない。