2014年2月5日水曜日

関係フレーム理論を使うためのメモ(問題行動編)



関係フレーム理論(RFT)を学ぶを読みました。非常にエキサイティングな内容で、「あ~、自分はACTは嫌いだけど、RFTは知っていきたい」ということに、気づかされました。そこで、興味深かったポイントを問題行動を中心にまとめておきます。

関係フレーム理論(RFT)をまなぶ 言語行動理論・ACT入門

問題行動

プライアンスが人の行動レパートリーを支配(dominate)するようになった時に付きまとう主な困難は、他人に依存した結果は、そうでない結果程、予測やコントロールができないということである。・・・般化されたプライアンス(generalized pliance)を示す人々に見られる最も明白な結果は、彼らが社会的な気まぐれに対して脆弱になるということである。

プライアンスが般化されて誰かの行為を支配するようになると、2つの需要な問題が生じる――第一に、それによって、その人が有効なトラッキングを学習することが妨げられるかもしれない。トラッキングは、行動の柔軟性を飛躍的に増加させるスキルであるため、その学習が妨げられることは問題になる。第二に、その人は、他者が提供する結果に対してとても敏感であり続けることになる。・・・自分の人生を他者の手にゆだねて自分自身の目標や願いからはぐれる可能性が高くなるリスクを冒すことになる。

トラッキングは、ルールの中で指定される行動が、ルールに従うことそのものと相いれない場合には、機能することができない。・・・トラッキングが問題となる別の例は、トラックが、世界が成り立つ仕組みと対応していなくて、そのために、ルールに従うことが指定された結果につながらない場合である。

比較的短期的な結果(身体活動の制限→苦痛がない状態)をトラッキングすることは、もっと長期的な結果(活動→苦痛→回復)をトラッキングすることを妨げることになる。・・・トラッキングが短期的には機能するという事実は、行動を統制するルールの機能は全体としては強化されるというリスクがあるということを意味する。このようなことが起こるのは、ルールが苦痛がないという短期結果(実際に接触される結果)を、回復という長期的結果と等位に関係づける(coordinates)ためである。それに輪をかけて、「ただしいことをしている」という強化的な結果もあるわけである。

オーグメンティングとのつながりで起こる根本的な問題は、それがプライアンスおよびトラッキングと相互作用をすることで、直接随伴性に対する感受性が鈍ることである。

プライアンスとトラッキングの形をしたルール支配行動によって、私たちは、より長期的な結果の達成に向けて行動することができる。しかし、それは必然的に、ある程度の「固さ」も伴う。この硬さが、オーグメンティングの影響のもとで強まる可能性があり、それは、特に、追及される結果がとても抽象的か、時間的にも空間的にも遠いかのいずれかの場合には顕著になる。

つもりつもって

感情、思考、記憶、あるいは身体感覚をコントロールまたは排除することを目的とした行動

である体験の回避が問題になるということです。ACTのヘキサフレックスのようなモデルではなくて、言語行動を関係フレーム理論でみていくという方が、自分の立場からはしっくり来ます。介入方法も自分のためにまとめようと思うのですが、何を使ってどこに触れているかが分かりにくいのが、治療者側からすれば難しい部分だと思います。