コーチングやら森田療法やら、治療法も色々登場しますが、『コレが正しい治療法です』と断言しない、押し付けない配慮がされているところに好感が持てます。著者が感じた感覚や著者がつかみ取った法則について書いているのであって、科学的に実証されたことではないという点を理解して読むと非常に有用な本だと思います。
人によって色々な症状やきっかけ、それぞれの回復の過程があることを、マンガというわかりやすい媒体で伝えてくれている意義は大きい。
つらい つらい つらい という感覚は私も体験したことがあるし(うつの診断を受けたことはありませんが)、登山を通して、抑うつ感情が永遠に続くものではなく、環境の変化によって変わりうるものだと気付いていく過程、死に場所を探すという形ではあるけどその旅の過程で抑うつ感情と少し距離が取れたエピソードなど、マンガを通すと文字で読むより感覚を想像、実感しやすい。
心理療法的な意味づけをしたい気持ちも出てきますが、決めつけ・押しつけをしないように配慮して書かれた本を読んで、「〇〇は臨床心理学的には、△△なことを言っている」と断定するのは無粋ですし、本末転倒ですよね。とても読みやすいので、書店でぜひ手に取ってください。
自分用のメモとしての雑記
- スキーマワークを想像したり、視点の切りかえは自分でも難しい時はあるなあ。
- 思考記録をその場の認知修正でなくて、後から振り返って「認知の歪みの実感を得る」そのために、事実と認知を切り替えて書く癖をつけるというのは良いアイデアだ。ARC記録で、事実と認知の切り分けにこだわるろいうことも良さそう。
- ゆるい行動活性化アイデアもっと欲しい、アウトプット系の人に「自習メタファ」でインプット行動に切り替えるのも良いアイデア。
- キャパオーバーって分かりやすい言葉だけど、チョット切ない。
- 健康的なナルシズム は金言だなあ
- 他の人から必要とされるということは、外から与えられる「価値づけ」っぽい。ただ、これはそういう人がいるか否かという部分に左右されるのだろう