現認者講習テキスト
7万円かかる現認者講習で使われたテキストです。当初、数万円するのではないかといった憶測がツイッターを飛び交いましたが、4000円とまずまず良心的な価格でした。急ごしらえだったため、非常に多くの誤植があり、初版本を購入した人には金剛出版が無料で、新しい書籍を提供したほどです。
初刷りから3刷をお持ちで、交換をご希望の方には、最新刷をお送り致します。以前、別のエントリに感想をまとめています。
「公認心理師現任者講習会テキスト[2018年版]」正誤表-金剛出版
公認心理師現任者講習会テキスト2018年版の通読メモ
他のテキストと比較すると、著者によるばらつきが大きく、書き手の個性に左右される面もあります。担当者はどんな意図でこんな表現をしたのだろうと勘繰りながら読むのも、面白い一冊です。
この書籍は、あくまでも講習会のテキストであり、資格試験の範囲を示しているわけではないとのことですが、しかし、唯一オフィシャルな出版物として考えると手元に置いておく価値はあると私は考えています。
また、公認心理師法とその細則が全文載っているのも良い所です。
社会福祉士のテキスト
こちらは、あまりメジャーではありませんが、福祉をとりまく制度が非常にうまくまとめてあります。試験とは別に、年金制度や、社会保障などの自らの社会生活に関わる制度を学びなおすのにも良い本でした。図表やイラストがふんだんに使われています。心理学検定問題集
基礎心理学や統計に関する問題の難易度は、高く感じますが、マークシート対策として4択問題を解く練習にはもってこいです。ただ、公認心理師の職責や関連法規の問題はほとんどないのが、悩み所です。方々で様々な団体が、模試を作っていたりしますが、そういったものも有効なのかもしれません。私は全く触れていないので、謎ですが。必携テキスト
ブループリントとの対応表が載っている所が長所です。自分が学習しなければならない領域や分野を調べるために役に立ちます。
現任者講習テキストよりも、分かりやすく網羅的です。
必携センテンス
期待していただけに、個人的には残念というのが感想。具体的には、①内容が全く前半と同じで赤字が空欄になっている必携ドリルは個人的に不要、②キーワード(赤字)の重複が多い、③設問に無理のある問題も散見される、といったところです。
例えば、 p72
( A )患者は、その経過によってさまざまな心理学的苦痛を感じる。患者の状況に応じた適切な心理的支援( B )の実施が望まれている。
答えは何だと思いますか?
A:がん
B:サイコオンコロジー です。
経過によってさまざまな心理学的苦痛を感じる疾患は数えきれないですし、患者の常用に応じた適切な心理的支援がサイコオンコロジーという訳ではないというような、穴埋め問題を作ることが、あまり上手ではない印象です。改訂されていくことで、改善されていくのでしょう。
但し、カバーをとった黒い表紙のデザインや、サイズなどはバッチリです。
まとめ
以上の本は、それぞれの書籍で特徴は結構違います。私も必携センテンスでテキストの購入を終わろうと思っていましたが、職責や法律の問題に対応するためには、もう少し違った教材を使う必要を感じています。泣いても笑っても、心理職の日本での初めての国家試験まで、あと2か月です。この機会に知識を整理して、日々の臨床に活かしていきましょう。